ANA Holdings Inc.

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Q4 FY2026 · Earnings Call TranscriptApril 30, 2026

本日はお忙しい中、2026年3月期決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。今年度は1月下旬に公表した価値創造ロードマップ2030の初年度であり、当社グループにとって新たな成長ステージへの第一歩を踏み出す極めて重要な1年となります。中東情勢の緊迫化により、事業環境が大きく変化する中でも、2030年度に向けて変革を加速する取り組みを着実に実行していきます。私からは2025年度の決算並びに2026年度の業績予想と戦略のポイントについて順を追ってご説明いたします。2025年度の決算概要です。連結売上高は旺盛な訪日需要の取り込みに加え、NCAの連結化効果もあり、前年から大幅な増収となる2兆5,392億円となりました。連結営業利益は計画を174億円上回る2,174億円、当期純利益は1,690億円となり、売上高、営業利益、当期純利益のいずれも過去最高を更新しました。また、1株当たり純利益は358円となりました。なお、配当については当初の利益計画を上回ったことを踏まえ、1株当たり65円に増額します。続いて航空事業における営業利益の計画差です。売上高は国際旅客が大幅に上振れたことで635億円増加しました。このうち中東情勢の緊迫化に伴う中東エアラインからの需要シフトで約100億円の一時的な上振れがあったと分析しています。営業費用は円安に伴う外貨建て費用の増加や整備費の増加などにより、計画から400億円増加しました。これらの結果、航空事業の営業利益は235億円計画を上回りました。連結営業利益の水準について補足します。右のグラフにお示しした通り、減免、補助金などの影響を調整した補正後連結営業利益は前年から280億円の増益となりました。実質的な利益も前中期経営戦略で掲げた2,000億円の目標水準まで着実に成長しています。続いて2026年度の業績予想についてご説明します。連結売上高は需要の価格弾力性を織り込みつつ、単価向上や生産量の拡大によりトップラインを成長させ、過去最高の2兆7,700億円を計画します。一方、中東情勢の影響については一定の前提で業績予想に反映し、連結営業利益は1,500億円、当期純利益は960億円の計画です。このような事業環境下においても中期方針を維持し、業績に応じた還元と安定性を両立させます。最高益の2025年度と合わせた2カ年平均の配当性向は22%を計画します。中間配当制度を導入し、1株当たり配当金は中間、期末それぞれ30円、年間配当で60円を予想します。中東情勢の影響について、まず当社が前提としている航空需要への影響シナリオをお示しします。2026年度の計画には燃油価格の高止まりと価格弾力性による需要の軟化、弱含みを一定程度反映しています。一方、経済活動の抑制に伴う本格的な需要減退などのさらなる下振れリスクについては現時点では計画に織り込まず、機動的なリスクマネジメント態勢で備えます。続いて詳細をご説明します。現在の事態は第1四半期末までに収束し、その後段階的に正常化へ向かうと想定し、四半期ごとに異なる市況前提を設定しています。燃料の調達については各空港の動向を注視しつつも、現時点では必要量の確保を見通しており、計画通りの事業規模を維持する前提とします。2026年度の営業利益水準の考え方についてご説明します。市況の急騰により一時的な燃油費の増加を想定していますが、ヘッジや燃油サーチャージなど従来からの対応策に加えて、収入、費用の両面で即効性の高い施策を機動的に発動し、収支影響を抑制します。燃油サーチャージについてはテーブルの上限改定や市況反映を1カ月早めることで、早期に影響をオフセットできる態勢を整えました。ただし、急激な価格上昇に伴う需要減退リスクを回避するため、価格弾力性を考慮した水準を設定するなど、精緻なコントロールで需要を冷え込ませない最適なバランスを見極めながら対応する方針です。結果として2026年度は利益の影響額を約600億円に抑制し、一時的な外部要因を除けば前年並みの利益水準となる計画です。こちらは今後の利益の回復、成長シナリオです。燃油市況の急騰により上期は一時的な利益水準の低下を見込みますが、先ほど説明した機動的な対応によって影響を抑制しつつ、旅客、貨物の需要を最大限維持します。そして正常化に向かう下期にはその需要を確実に取り込み、利益成長軌道へ回帰します。ここからは航空事業における今年度の戦略ポイントについてご説明します。初めに国際旅客は需要動向に応じて生産量を伸ばし、旺盛な訪日需要や業務渡航需要を取り込みます。羽田は高い座席利用率を背景にイールドのさらなる向上を図る一方、成田では将来の発着枠拡大を見据えて需要を再開拓し、シェアの拡大に取り組みます。羽田の質、そして成田の量、それぞれの特性を最大限に生かしたベストミックスによって収益最大化を追求します。次に国際貨物です。ANAとNCAのリソースを最大活用するため、大型フレイター機を北米線へシフトし、中国・アジア線は中型フレイター機と旅客スペースでカバーする最適なネットワークを構築します。また貨物スペースの一元管理や高付加価値サービスの統合展開などの販売・マーケティング面の改革も含めて、今年度はNCAとの統合シナジー効果を200億円創出します。さらにその先を見据えてグループ貨物事業会社の統合による事業再編を加速し、さらなる効率化と収益力の強化を図ります。続いて国内旅客です。2025年度は旅客数の獲得を優先した戦略が奏功し、座席利用率は約8割まで改善し、年間平均として実質的な上限水準に近づいています。今年度は旅客数を維持しながら単価の向上によって収入の最大化を図ります。さらに中期的な収益構造の変革として2027年度からの燃油サーチャージ導入に向けた調整を推進します。なお国土交通省が主催する有識者会議における対応効果について、現時点では価値創造ロードマップの利益見通しには織り込んでおらず、結論が示された後に機動的に計画をアップデートします。最後にLCC事業のPeachです。今年度は国内線、国際線ともに需要の強い路線を増便します。加えて需要の季節波動に応じて国内線と国際線のリソースを従来以上に大きく組み替えることで、ネットワーク全体の生産量を最適化し、旅客数の拡大と単価の向上を同時に実現します。また今後のさらなる成長を見据え、4月にブランドをリニューアルしました。従来からの低価格という強みに加え、Peachならではの独自価値を磨き上げ、中長期的な収益基盤の強化を追求します。ここからはキャッシュ・アロケーション、バランスシートの見通しについてご説明します。まずはキャッシュ・アロケーションです。今年度は営業キャッシュ・フローが設備投資を下回る計画ですが、中期的な観点では想定の範囲内でコントロールしています。価値創造ロードマップでお示しした方針に基づいて規律を維持しながら航空機とDXを中心とした成長と変革への投資を計画通りに実行します。バランスシート・マネジメントについてです。中東情勢による事業リスクに対しては1兆円を超える手元流動性を維持するため、緊急的な資金手当ては不要です。加えて自己資本も1兆円を超えており、強固なリスク耐性を担保しています。引き続き財務健全性の維持・向上と資本効率の向上を高い次元で両立させ、WACCの構造的な低減を推進します。株主還元の方針についてご説明します。中期的な株主還元方針に変更はありませんが、中東情勢による一時的な影響を考慮し、配当性向は2025年度と2026年度の2カ年平均で22%を計画します。利益水準に応じた還元を行い、2026年度については外部環境の影響を見込むものの、新たに導入する中間配当を含め、安定・継続配当へのコミットメントとする考えです。加えて上限1,500億円の自己株式取得についても計画通りに実行するため、総還元性向はお示ししている値まで高まります。最後に価値創造ロードマップ2030の考え方についてご説明します。2026年度は一時的な外部環境変化を見込みますが、構造的な利益創出力は確実に高まっており、現時点では中期的な目標水準に変更はありません。外部環境や需要動向などをモニタリングしながら、事業リスクに対して柔軟に対応するとともに、経営リスクに対する備えも確保しており、状況に応じて必要な手を打った上で速やかに計画をアップデートしていく考えです。成長投資の歩みを止めず、約束した株主還元もやり抜き、中東情勢による影響は中期的に吸収します。なお有識者会議の結論や成田空港拡張の遅延といった中期的な環境変化に対しては、価値創造ロードマップをローリングする中で適切に対応していきます。ANAグループはいかなる局面においても持続的な企業価値の向上に向けて柔軟かつ着実に歩みを進めていきます。私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

私から2025年度決算と2026年度業績予想の詳細についてご説明します。経営成績の概要です。売上高は前年から2,773億円増加し2兆5,392億円、営業費用は2,565億円増加の2兆3,217億円となりました。これらの結果、営業利益は2,174億円、経常利益は2,196億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,690億円となり、いずれも過去最高となりました。バランスシート・マネジメントについてです。手元流動性は営業キャッシュ・フローの上振れと航空機の受領遅れなどの影響もあり、2025年度末時点では1兆2,500億円を超える水準となった一方で、有利子負債の返済を着実に進めた結果、純有利子負債はマイナスに転じ、ネットD/Eレシオは-0.06倍とネットキャッシュの状態となりました。2025年度末の自己資本比率は利益の蓄積に加え、社債型種類株式の発行による自己資本の増加により、前期末の31.2%から37.7%へと大幅に上昇し、安定的な財務基盤への復元を果たしました。なお、2025年12月から開始した上限1,500億円の自己株式取得では、年度末までに441億円の買い付けを終えました。キャッシュ・フローについてです。営業キャッシュ・フローは4,434億円の収入、投資キャッシュ・フローは4,154億円の支出、財務キャッシュ・フローは1,593億円の支出となりました。また実質フリー・キャッシュ・フローは1,951億円の収入となりました。航空事業における営業利益の前年比較です。売上高は国際旅客が好調に推移したことやNCAの連結化などにより、全体で2,544億円の増加となりました。営業費用はNCAの連結化による影響に加えて、生産量連動費用の増加などにより、前年から2,316億円増加しました。これらの結果、営業利益は228億円増加し、2,219億円となりました。航空事業の事業別の対応について振り返ります。ANA国際旅客は好調な訪日・日本発需要を獲得し、旅客キロは前年から大幅に拡大しました。6月以降の旅客数獲得を優先しながら座席利用率を改善し、イールドコントロールを利かせる販売戦略への転換が奏功し、ユニットレベニューは前年から2%の向上、収入は9%の増収となりました。ANA国内旅客は年間を通じて早期に予約を積み上げ、搭乗日まぎわの需要を高単価で獲得する戦略を徹底しました。レジャー需要が拡大する中でも適切に単価を向上し、前年から5%の増収となりました。ANA国際貨物は機動的に臨時便を設定しながら堅調なアジア発の三国間貨物を取り込んだ一方、他社供給量の増加や中国発eコマース貨物が減少したことで、単価は前年を下回りました。NCAは大型フレイター機を活用し、半導体製造装置などの高単価貨物を着実に獲得しました。Peach Aviationは生産量を拡大し、旺盛なアジアからの訪日需要を取り込み増収となりました。中国線について補足します。中国政府による中国国民に対する日本への渡航自粛呼びかけにより、12月にかけて市場全体の訪日需要は大幅に減少しました。左のグラフでお示しした通り、市場全体の供給量が中国系エアラインを中心に地方空港路線で調整され、需要の落ち込みは概ね底を打ったと分析しています。当社グループでは需給の引き締まりを好機と捉え、積極的なセールアップを実施した結果、右のグラフの通り、第4四半期は旅客数の増加に加え、単価向上による増収を実現しました。続いて燃油価格の変動リスクに対する考え方についてご説明します。スライドの左側をご覧ください。ANAブランドでは燃油使用量全体の35%程度を占める国内線の燃油に対して3年前から均等取得でヘッジを行っています。現時点で今年度に必要なヘッジは9割強まで終了しており、国内線の未ヘッジ分に対する感応度は約2億円にとどまります。一方、国際線においては従来燃油サーチャージを収受しオフセットする前提としておりました。しかしながら足元のような急激な市況高騰局面においては、燃油サーチャージへの市況反映のタイムラグに加え、当社としても機動的な運賃設定でカバーしていくなど複合的な変数が作用します。結果として収支への影響が非線形となるため、単一の前提に基づく機械的な感応度の試算は実態と乖離すると考え、一義的な感応度の開示は控えております。こうした変動の激しい環境下におきましては、先ほど10ページでご説明した通り、需要動向を見極めた機動的な対応により、可能な限り業績影響を抑制していく考えです。ここからは2026年度通期業績予想の詳細についてご説明します。売上高は2兆7,700億円と前年から2,307億円増加する一方、中東情勢の影響を反映し、営業利益は1,500億円、経常利益は1,370億円、当期純利益は960億円を計画します。航空事業における営業利益の計画を2025年度実績と比較します。売上高は国際旅客の増収やNCAの通年化効果などにより、2,167億円の増収を計画します。営業費用は中東情勢の影響で燃油費が大幅に増加し、全体で2,887億円の増加を予定します。これらの結果、営業利益は719億円減少し、1,500億円となる計画です。最後に需要動向についてです。足元では旅客・貨物ともに前年を上回る水準で、総じて堅調な需要環境が継続しており、落ち込みの兆しは見られていません。しかしながら中東情勢の不確実性は継続するため、今後も需要動向を慎重に見極めながら、状況の変化に機動的に対応していきます。私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

Operator

ありがとうございました。以上をもちまして、2026年3月期決算説明会を終了いたします。本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。